【CAPCOM】動画作成・投稿に関する新ガイドラインを公表!許容範囲が広がった
2021年1月6日、株式会社CAPCOM(以下、カプコン)は、自社のゲームに関する画像や動画を、SNSや個人サイトなどに投稿・掲載することについて、新たなガイドラインを公表しました。
今回は、そのガイドラインを読み解いていきたいと思います。
引用元:株式会社カプコン公式サイト
「著作物に関するQ&A」https://www.capcom.co.jp/support/faq/others_website_037152.html
「カプコン動画ガイドラン(個人向け)」https://www.capcom.co.jp/site/privacy_06.html
カプコンのゲーム画像や動画をSNSや個人サイトに投稿できるか?
質問
カプコンの“ゲーム画像”や“ゲーム実況を含むプレイ動画”を、SNS・個人サイト等に掲載したり、ライブ配信を行っても良いですか?
回答
「個人」であり、カプコンの公式ガイドラインを遵守すれば、それらを行えます。
以下に該当する方は「法人扱い」となり、カプコンと「ライセンスビジネス」を締結しないといけません。
- 営利を目的としている組織・団体(企業)
- 企業と契約して動画配信をしている個人
- 芸能事務所やプロダクションに所属している声優や芸能人
カプコンのゲーム映像を使った動画の投稿に関して遵守すべきガイドライン
2021年1月6日付けでカプコンが公表した新たな公式ガイドラインでは、動画の作成と投稿について大きな変更点がありました。
以前の公式ガイドラインを知らない方もいらっしゃると思いますので、今回新たに記事にしていきたいと思います。
以下、ゲーム映像の画像や動画のことを「ゲーム画像や動画」として書いていきます。
≪この段落のまとめ≫
- 「個人」のユーザーであれば、カプコンと「ライセンスビジネス」を締結していなくても、YouTubeやTwitchなどの動画共有サイトに動画を投稿しても良い。
- 投稿しても良い動画の内容はゲーム実況・攻略・紹介・解説動画。
- 動画を作る際は、動画内にプレイヤーや動画編集者の意見や感想を入れること。
- カプコンが音楽の権利を全て持っているわけではないので注意が必要。
- ゲームの対象年齢を意識した動画作りを心がけること。
- 動画やライブ配信で“ネタバレ”がある場合は、視聴者に告知すること。
ゲーム画像や動画を投稿できる主なサイト
以下のサイトでは「カプコンのゲーム画像や動画などを投稿しても良い」と明記されています。
- YouTube
- Twitch
- 上記以外の動画共有サイト
- ユーザーの個人サイト(ブログ等?)
ほとんどの動画共有サイトに対応している、と考えて良いと思います。
ゲーム画像や動画を利用して作れる動画
- ゲーム実況動画
- ゲームの攻略動画
- ゲームの紹介動画
- ゲームに関する解説動画
これまでの公式ガイドラインでは、PlayStation4(PS4)版のゲームであれば、同機の録画機能を利用して作成した動画や、ブロードキャスト機能を利用したライブ配信のみが認められていました。
Steam版のゲームであれば、Steamクライアント機能を利用して作成した動画のみが認められていました。(*私はSteamについて詳しくありません…すみません)
Nintendo Switchにはスクリーンショット機能はあるものの、長い動画を撮影する機能はありません。
今後は、それ以外の機器を使って撮影・録画したゲーム画像や動画を投稿できるようになります。
動画作り、投稿の際に気をつけるべきこと
以下の該当するものは、ゲーム機本体やゲームソフトの機能を使った方法でしか、動画を作ることができません。
※この場合、PS4ならPS4で、SteamならSteamで動画作りや投稿を完結させないといけません。
- 公式ゲーム映像の転載
- ゲームのムービーをそのまま共有すること
- 自身がプレイ、編集をしていない動画を投稿すること
- 感想や意見を付けずにスクリーンショットのみ掲載すること
- BGMを抜き出し、「BGM集」として動画を投稿すること
- デザインやボイス等、ゲーム内の要素を分割して個別に投稿すること
また、個人で作成した動画を“公式動画”として宣伝することはできません。
音楽を含む動画を作る際の注意点
カプコン製ゲームの音楽に関して、カプコンはその音楽の権利の全てを所有しているわけでないので、動画の内容によっては、音楽の権利者から別途許可を得る必要がある場合もある、とのことです。
「ゲームの映像と音楽の権利者が異なる」という場合はよくあります。指導や警告がきたら、きちんと対応しましょう。
視聴者を考慮した動画を制作すること
動画を作成する際は、ゲームの対象年齢を考慮した動画を作ることを心がけることが求められています。
「全年齢対象のゲーム」なのに、動画の内容が過激で「全年齢対象のゲーム」に相応しくない動画を投稿してしまった場合、カプコンはその動画を削除する可能性があることを示唆しています。
ちなみに、【ストリートファイターⅤ】は12歳以上、【モンスターハンター:ワールド】は15歳以上が対象のゲームです。
“ネタバレ”に配慮した動画作り・ライブ配信を行うこと
当たり前ですが、ゲームソフト発売日前のゲームコンテンツの投稿や、不正と疑われる行為を行ってはいけません。
それに加えて、ストーリー性のあるゲームなら“ネタバレ”に注意した動画作り・ライブ配信を心がける必要があります。
ネタバレの要素がある場合、ありそうな場合は、動画の冒頭などで「ネタバレがあること」の告知や説明文を掲載して、ゲーム未プレイの視聴者に配慮する必要があります。
「非営利的な使用」と「収益化」について
この段落では、「営利目的」と見なされる可能性のあるゲーム画像や映像の利用方法や、「収益化」について考えていきたいと思います。
≪この段落のまとめ≫
- カプコンのコンテンツを利用して金銭的利益を得ることはNG!
- 「個人」が動画を投稿して、動画共有サイトから広告収入を受け取ったり、投げ銭をもらうのはOK!
- 企業や芸能事務所に所属している声優や芸能人は「法人」扱いになる!
営利目的では、カプコンのコンテンツを使用できない
カプコンのコンテンツを使って金銭的利益を得ることはNGとなっています。
あくまでも「非営利的な使用」である必要があります。
以下の行為は「営利目的の使用」と判断される可能性があります。
- 有料で動画を公開すること
- イベントを開催して収益を得ること(※)
- ゲームの指導をして金銭を受け取ること
- カプコンのコンテンツを使ってグッズを作ること
上記のようなことを行いたいのであれば、「法人」としてカプコンと「ライセンスビジネス」を締結する必要があります。
※収益が発生しない場合でも、「個人」がイベントを開催することをカプコンは認めていません。
カプコンが認めている「収益化」
カプコンのコンテンツを使用する場合、基本的に「個人が非営利目的で使用している」必要がありますが、以下の方法に限っては、カプコンは収益を得ることを認めてくれています。
- YouTube、Twitchで発生する広告収益
- YouTubeのスーパーチャット(投げ銭)
- Twitchのビッツ(投げ銭)
- 第三者の自発的な寄付(配信者サポート)
これらが認められているのは、「個人」の動画配信者のみであり、企業や、芸能事務所に所属している声優やタレントは対象外となるようです。
ただし、「有料会員だけが視聴可能」といったように、動画を視聴するのに制限をかけた状態での収益受け取りに関しては、カプコンは認めていないので注意が必要です。
公式ガイドラインが定める「許容できない使用法」
この段落では、カプコンが許容していないコンテンツの使用法について書いていこうと思います。
≪この段落のまとめ≫
- カプコンが非公式としているもの、許可していないもの、情報漏洩が疑われるコンテンツは絶対に公開してはいけない。
- カプコン以外の企業や、芸能事務所に所属する人は「法人」扱いになるので、カプコンとの「ライセンスビジネス」の締結が必要。
- コンテンツの不正使用は禁止。
- 違法行為、人種、性的差別、公序良俗に反する動画の作成は禁止。
- カプコンのコンテンツビジネスを阻害してはいけない。
発売日前のコンテンツの公開は禁止
カプコンがレビューを依頼した企業または個人以外による発売日前のコンテンツの公開は禁止されています。
非公式なもの、許可されていないもの、情報が漏洩したと思われるコンテンツについては、いかなる理由があっても公開することを禁じています。
発売日前であっても、公式に発表された情報をもとに動画を作ることは問題なさそうです。
ビジネス目的でのコンテンツ使用は禁止
カプコン以外の企業は当然として、芸能事務所などに所属している個人も「法人」として扱われるので、「個人」以外のユーザーがカプコンのコンテンツを使用する際には、「ライセンスビジネス」を締結する必要があります。
不正使用の禁止
ハッキングはもちろんのこと、対象ゲーム機以外でのプレイなど不正使用と認められる行為は当然禁止です。
不適切な表現の禁止
カプコンのコンテンツを使用して、そのコンテンツに相応しくない動画を作成することは禁止されています。
「不適切な表現」とされるもの
- 違法行為(犯罪や未成年の飲酒喫煙など)
- 人種差別的なもの
- 性的差別とされるもの
- 性的指向に有害なもの
- 公序良俗に反するMOD(改造データ)
上記の「不適切な表現」は一例で、最終的にはカプコンによって“不適切”と判断された動画は削除の対象になる、とのこと。
カプコンが出版した本などの不正使用は禁止
カプコンや、カプコンの承諾を得た企業などが出版した漫画や攻略本、アートブックやデジタル資料を、そのまま利用することはできません。
カプコンのコンテンツビジネスを阻害しているとされるものについては削除の対象となります。
『キャプチャーボード』で録画したゲームの画像や動画を使用できるようになった!
これまでは、PS4用のゲームならPS4の録画機能・画像編集ソフトを使って作成した動画しか投稿してはいけなかったのですが、今後は『キャプチャーボード』を使用して録画した動画も投稿可能になります。
上に添付してある【ストリートファイターⅤ】の動画は、以前のガイドラインを守り、PS4で録画し、編集もPS4で行い、PS4から投稿した動画です。
今後は、『キャプチャーボード』を使用して録画したゲームの映像などが使えるようになります。
『キャプチャーボード』の役割
「『キャプチャーボード』って何?」と思っている方もいらっしゃると思いますので、少し説明させていただきます。
『キャプチャーボード』の役割を一言で言うのであれば、「接続した端末の画面や音声を、そのまま録画・録音する機能を持った録画機器である」と言えます。
PS4にも録画機能は搭載されていますが、『キャプチャーボード』で録画した動画の方が高画質です。
『キャプチャーボード』を使って、カプコンのゲーム動画を作る際の注意点
カプコン製ゲーム映像を、ゲーム機本体やゲームソフトの機能を使わずに録画した場合には、付加価値をつける必要があります。
カプコンの公式サイトに掲載されている付加価値の一例
- ゲームユーザー自身がプレイした映像を編集する
- ゲームユーザーまたは動画編集者のコメントをつける
新しくなった動画投稿に関する公式ガイドラインは、以前のものより許容範囲が広くなった
さて、この段落をこの記事の最終段落にしたいと思います。
2021年1月6日付けで公表された「カプコン動画ガイドライン(個人向け)」は、以前のものより許容範囲が広くなったと思います。
このブログに【ストリートファイターⅤ】の動画を添付できるのも、新ガイドラインのおかげです。
「『個人』に限り、YouTubeやTwitchなどの動画共有サービスで広告収入を得たり、投げ銭を受け取っても良い」と、収益に関して明確化してくれたのも大きなことだと思います。
これをきっかけに、個人でもカプコンのゲームを使用した動画の投稿や、ゲーム実況が活発になることを期待しています。
遵守しなければならない事項もいくつかありますが、「常識的な言動をしていれば問題ないのでは?」と思っています。
プロゲーマーではないけれど、広告収入や投げ銭でお金を稼ぐ格闘ゲーマーが増えるかもしれませんね。
Nintendo Switchで【モンスターハンターライズ】が発売予定
2021年3月26日には、「モンスターハンター」シリーズの最新作ソフト【モンスターハンターライズ】がNintendo Switch向けに発売となります。
Nintendo Switchにも録画機能はあるにはあるのですが、数秒しか録画ができません。
今回発表された新たなガイドラインでは、条件付きで『キャプチャーボード』の使用が認められました。
録画に強い『キャプチャーボード』は、録画機能が弱いというNintendo Switchの欠点を補ってくれます。
クリアしなければいけない条件のハードルもそんなに高いものではないので、3月になると【モンスターハンターライズ】のゲーム動画や、ゲーム実況者が増えるかもしれませんね。
ガイドラインを遵守して、楽しく動画を作成しよう!
せっかくカプコンが許容範囲を広げてくれたのだから、ルールを守って楽しく動画作りや、ライブ配信を行っていきたいですね。
「収益が出たらラッキー」という感じで動画投稿やライブ配信を行うと良いかもしれません。
最後に、許容範囲を広げてくれたカプコンに感謝をして、この記事の作成を終わりにしたいと思います。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
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