【感想】『トイストーリー4』は少し残念な「トイストーリー」だった。
りゅうポケットです。
劇場版『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の映画を翌日、映画『トイストーリー4』を見てきました。
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝~永遠と自動手記人形~』が濃密な90分だったのに対し、『トイストーリー4』は微妙な100分でした。
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は公開されてから日が浅いのでネタバレに配慮して記事を書きました。
しかし、『トイストーリー4』は公開されてから2ヶ月くらい経つので、ネタバレを気にせず書いていこうと思います。
最高とも言える結末でシリーズを終えたはずの『トイストーリー3』の続編
最高の結末を迎えた作品の続編を見るというのは不安がつきまといます。
今回、その不安感は払拭されることはありませんでした。
この記事のタイトルでもあるように、『トイストーリー4』は少し残念な「トイストーリー」でした。
この「残念」に思う微妙な感覚を以前も感じたことがあります。
劇場で『ターミネーター3』を見た時の感覚と似ている!
『ターミネーター2』に続き『ターミネーター3』にも登場する主人公のジョン・コナー。
そのジョンに対して、このジョン・コナーは、本当にあのジョン・コナーなのか?違う時間軸のジョン・コナーではないのか、と思うほどでした。
今回の『トイストーリー4』に登場するウッディは、本当にあのウッディなのか、と思う場面が多々あり残念な気持ちになりました。
それでも、ラストシーンが良かった『ターミネーター3』に対して、『トイストーリー4』のラストは残念でした。
それでは、僕が感じた『トイストーリー4』の良かった点と残念だった点を書いていきたいと思います。
『トイストーリー4』の良かった点
『トイストーリー4』の良かった点として一番最初に思いつくのは「映像の美しさ」です。
ピクサーが制作するフルCGアニメーションの映像は最高です。
登場するおもちゃ達も、CGではなく本物ではないか、と錯覚してしまうくらいでした。
アクションシーンや、ホラーと思えるシーンの描写も良かったです。
ウッディとフォーキーがオートキャンプ場を目指して歩くシーンはとても美しかったです。
音楽も良かった。ダイヤモンド☆ユカイさんが唄う作中歌も良かったです。
吹き替えを担当した役者の演技も良く、キャラクターに違和感を感じることはありませんでした。
映像、音楽、役者どれも安定していました。
『トイストーリー4』の残念だった点
まずは、おもちゃ達が人間の行動に関わり過ぎだ、と思いました。
ウッディが今の所有者であるボニーを心配して、ボニーのリュックに紛れ込むという行動については、まだ理解できました。
しかし、ボニーの父親が運転するレンタルのキャンピングカーのタイヤをパンクさせるあたりで、え、ちょっとこれはどうなの?と思いました。
その後、キャンピングカーを運転するボニーの父親に対する妨害行為については、完全にやりすぎだ、と思いました。
『トイストーリー4』で一番残念だった点はラストシーンで、ウッディが持ち主から勝手に離れ【迷子のおもちゃ】になるという点でした。
「おもちゃは子供に寄り添っていくもの」という考えだったはずのウッディが、自らの意思で子供から離れる、というラストシーンにはがっかりしました。
確かにウッディはボニーから放置されるような扱いを受けていましたが、捨てられたわけでも、置き去りにされたわけでもないのです。
ボニーにとって現在のウッディは「遊ばなくなったおもちゃの一つ」なのです。
おもちゃとしてのウッディの役割は終わったのかもしれません。
しかしながら、リサイクルショップの商品で、特定の所有者がいないギャビー・ギャビーやボーとは違い、ウッディにはボニーという所有者がいるのです。
以前の所有者であるアンディと過ごした時間を懐かしく思うことは当然だとしても、現在の所有者であるボニーから勝手に離れていくウッディは見たくなかったです。
別の「トイストーリー」を作れば良かったのでは…
「トイストーリー」シリーズでは、おもちゃにとって人間は勝手な生き物なのだ、ということがよく分かります。
しかし、作中に登場するウッディ達おもちゃは、人間の成長による心情の変化などを理解してくれているものだと思っていました。
とくにウッディは、そのおもちゃ達の優等生とも言える存在だったと思います。
その優等生が、所有者のためにならない勝手な行動をするとは思ってもいませんでした。
おもちゃが自分の生きる世界を探しに行く、という物語を描くのであれば、ウッディやバズなどの以前からいるキャラクターにやらせるべきではなかったと思います。
まあ、『トイストーリー5』(仮)のために『4』を作ったというのであれば、『4』でのウッディの決断は仕方のない事なのでしょうかね。
すっきりしない「トイストーリー」、それが『トイストーリー4』という作品だと思います。
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